幸せだった頃の家族の一日

昔、私が小さい頃、両親もまだ生きていたころの幸せな一日を思い出します。自分が年をとったからか、もうすぐ自分の死期なのか、もう二度と帰ることのない一日にすごく帰りたくなる時があります。

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家族団らんの思い出

自分が中学生くらいになった頃から両親の仕事が忙しくなり、自分自身もクラブ活動などで家族で食事を共にする時間がすくなくなってきました。子供が中学生くらいになると、母親も育児から段々と解放されていくらしくフルタイムで働いていました。父親も残業が忙しく、なかなか顔を合わせる時間もなくなりました。

だから、私の家族団らんの印象は私が小学校低学年頃の記憶です。

皆で夕ご飯の風景

family

どこの家庭でもあるような普通のことだと思うんですが、みんなで大皿を囲んでとる食事風景。昔は今みたいな週休2日ではなくて、日曜日だけがお休みでした。父親は週1のお休みで、夕飯ができるまで庭でちょっと晩酌を始めます。小さい子(私のこと)がお酌してくれるのを楽しんだりして、ゆったり過ごした思い出です。

皆がお休みである日曜日は母親も張り切って夕食を作ってくれました。それをみんなで囲んで、新製品のカラーテレビ(白黒テレビが主流だったころです)を皆で見て…。

夕食後は家族皆で映画鑑賞

家では父親が一番風呂に入ります。何しろ熱いお風呂が好きな人で、誰かが入った後だとぬるくて入った気がしないそうです。で、代わりばんこにお風呂に入って、兄弟で石鹸遊びをして母親に怒られて…100まで数えてちょっとのぼせます。お風呂からあがると、父親が映画を見ています…。当時はゴールデン映画劇場とか、そんな名前の映画番組がたくさんやっていました。

私もその映画を見始めます。いつもは早く寝ろと怒りだすのですが、父親は映画が好きな人でこういう夜更かしは許してくれました。でも私は小学校低学年なのでアクションがすごくてびっくりして釘付けになっているだけでストーリーはさっぱりわかりません。だけど分かるようなふりをして必死に食らいついていきます。

映画鑑賞とリンゴ

平日の食卓にはほとんどデザートは上ってこない家庭でしたが、日曜日だけはデザートがありました。皆で映画をみてゆっくりしている時間がデザートタイムです。私のお気に入りは甘酸っぱいシュワシュワした感じのクリームが入った薄いクレープでした。すごく美味しい思い出だったので今でもスーパーで探します。

この前、冷凍食品にこの薄いクレープがあったので買ってみましたが、思い出補正なのか昔よりもおいしくないです。きっと味覚が大人になってしまったんでしょう。

と、わたしのお気に入りデザートはクレープだったのですが定番デザートはリンゴでした。母親がリンゴをむいてくれて、人数分に割ってくれます。お皿にもってかしこまって出してくれるんじゃなくて、そらでリンゴを果物ナイフでむいてくれて1人ずつ手渡ししてくれます。

母親が台所に引っ込んでしまうことがなくて、みんなでちゃぶ台やらこたつやらに入ってリンゴを食べました。皿を出さないので映画の良いシーンの途中だろうが、話しかけて渡さなければなりません。

「ちょっとちょっと、リンゴ。ほら取って。」

「え?うん。あ、リンゴのせいで見逃した!」

そんなことがコミュニケーションになっていたんだと思います。

両親の腕の中で布団へ

今も昔も映画は2時間くらいあります。テレビで映画が始まる時間は21時くらいなので終わるのは早くて23時くらいです。そんな時間まで小学校低学年が起きていられるはずもなく、いつも父親か、母親かが布団までつれていってくれました。寒くてちょっと目が覚めていても寝たふりをして…。

もう二度と帰ることが無い一日

子供のころはこんな日がずっと繰り返されると思っていました。両親も友達も兄弟も親戚も皆がずっと元気で生きていると思っていました。だから、どの日が最後の家族のだんらんだったのか思い出せません。最後だと分かっていたら、もっと豪華な食事だったり、気の利いた言葉だったり、感謝の言葉を言っていたかもしれません。

家族がひとつな時期はほんの10年くらい

子供が物覚えがはっきり付いてくるのが7歳くらいで、クラブ活動などで忙しくなるのが12歳くらいだと考えると家族が一緒に過ごせる時間などわずかなものです。10年あるのかどうか。

また大人になってから時間が取れる…と思っても昔と同じような時間はすごせませんでした。思春期を過ぎてしまうと、子供のころと同じ全幅の信頼というのは両親に対して抱けないものです。両親も自分の子が大きくなってしまうと幼い頃とは違って見えるのでしょう。(私の両親はそうでした)1人の大人として扱ってくれる…ということは幼いころより距離感があるのだと思います。

なんで子供時代を思い出すのか

どうして子供時代の事を頻繁に思い出すのか…。自分分析したんですが、原因はやっぱり自分の子が子供時代を過ごしている刺激からだと思います。自分の子が同じような団らんを過ごして、毎日がずっと続くかのように過ごしています。それを見ていると幸せなんですが、不安が募ってしまうのです。この幸せはずっと続くものではない、そんな気がしてしまいます。

子が巣立った後の家族団らん

問題なのは子供が大人になった後の家族団らんのイメージがまったくありません。子供が大人になった後、というか思春期や反抗期頃の家族の在り方もさっぱりイメージがわきません。

子育て、というと赤ちゃんのお世話とか幼児期だけスポットを当てた書籍や講習会が多いですがもっと全年齢層向けにも情報が欲しいです。

食卓と家族―家族団らんの歴史的変遷

こんな本とかもあるけど、なんせ内容が深い。私みたいなちょっとしたノスタルジーで読み始めると社会問題まで考えてしまうという本。けど、あの家族団らんが子供の発達とか家族関係にすごく関係していたんだ…と(なんとなく肌でわかっていたけど)実際に文字に書き起こしてくれて認識させてくれる本でした。こういう本をたまに読んでみると子供との団らんの時間を大切にしようと思えます、さらに。

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