サカナクションが気に入りすぎて新宝島のタイアップ映画「バクマン」を見ました。面白い映画でしたが格闘シーンはどうかと思う、という話です。
タイアップ映画バクマンとは
エンドロールに「音楽:サカナクション」ってでっかく出るのでバクマンの音楽は全部サカナクションが作っているようです。確かにどのシーンでもサカナクションっぽい感じ?です。
ちなみにAmazon会員なので映画バクマンも会員特典で無料で見ました。
漫画家を目指す話
高校生二人が共作してジャンプ漫画家を目指す話です。人気漫画家の甥っ子とはいえ、2か月で編集担当が付いてしまうあたり、展開が早い話です。
少年の自己実現に恋愛と大人への憧れを織り込んだ青春映画でした。
配役が逆か
佐藤健が最高で、神木隆之介 がシュージンという配役が逆じゃないか?というTwitterがたくさんありました。
バクマンの実写見たけど
想定外に最高過ぎた。キャスト半端ない全員好き。
*小松菜奈存在すら知らんだけど
2.5次元女優。最強過ぎた。えぐい pic.twitter.com/Tnrnx9igeg— やまで たかき (@takakiii_y) 2018年10月3日
バクマンっていう漫画は知っていたけどしっかり読んでいない私からしたら、映画は違和感ないですね。もし佐藤健がメガネやってたらはまりすぎてクドイかもしれない、しかしそれも見たい気もするし…。配役なんてどっちでもいーーやーーー。どっちも面白そう。
ヒロイン??
アズキさんっていうヒロインだけど、見た目だけで恋するほど素敵女性に見えないですね。というか、好きになれる瞬間、エピソードもなく存在感が薄いです。
最高を振り回す人、最高が一方的に思いを寄せる人って感じのヒロインでした。映画の中では恋愛自体はうまく描かれていなくて、エッセンス程度です。
いや、取って付けた感があります。別にヒロインいなくても良い感じ。
川口たろう
最高の叔父さん、バックマン作者川口たろうは良い演技していました。いかにも漫画やってるおじさんです。でも漫画だともっとイケメンキャラっぽいんですねぇ。
『バクマン。』追加キャストに山田孝之、リリー・フランキー、宮藤官九郎 http://t.co/W11FL0ESmf pic.twitter.com/EwDXmS5196
— CINRA.NET (@CINRANET) 2014年10月14日
山田孝之
個人的に山田さんのファンだったりするせいでしょうか。やっぱりうまいなぁ、と思う反面、端々の演技で笑ってしまいます。なんか急に叫びそうで。
テンポ早い
とにかく映画バクマンはテンポ早いです。漫画描こう!ってなってから作品が出来上がるまでも早いし、編集担当が付くまでも早いし、賞とって連載をとるまでも早いです。ヒロインに告白するのも一瞬、ヒロインの退学も1分くらいで終わります。
心情とか心の揺れとかそういったものは無いですね、アクション映画っぽい感じです。もしくは漫画の総集編とかダイジェスト版とか。
天才、新妻
主人公のライバルになる天才高校生漫画家新妻は、なんだか残念な仕上がりだと思いました。
バクマン新妻エイジのキャスト pic.twitter.com/2UbssSpv8w
— カズ (@kazu4281) 2014年11月13日
俳優は良いんだろうけども。
なんかニヤけたヤツ、いけ好かないヤツってだけで凄さとか天才度とか無邪気な感じは出ていないです。単なる悪役みたいな。
新妻には新妻の信念みたいなものも表現できたらもっと良いのになぁ。
音楽は添え物
映画音楽って意識しながら聴かないものですが、バクマンの中では音楽自体で盛り上げようっていう感じじゃなかったです。
ヒロインとあーだこーだあった時も最高が倒れた時もジャジャーンみたいな大げさな音楽は流れないですね。音楽の感じで主人公の心情とか表現されて固定されると思うんですが、それが強く全面に出てこないので、見ている人が主人公の心情を想像する余地があります。
漫画制作場面
漫画の映画なので漫画を描いている場面が出てきます。今はデジタルで作る人も多いと思うんですがバクマンでは昔ながらの手作業なんですね。
紙にペンが走る音とか最高です。
デジタル作画じゃ映画として「ずっとパソコンにつきっきり」みたいな画面になって、高校生らしくない熱くない映画になりそうだものねぇ。
新妻との闘い
新妻とアンケート順位を競う戦いの場面ではCGになります。これが結構長い。でかい筆を振り回したりして格闘場面みたいになっています。
けどさぁ、順位を上げるために「あのコマはどうしよう」とか「このネームがダメ」とかそういった地道なことを積み上げる場面なのに心理的な葛藤=格闘イメージとかで処理していいものか?と思いました。
漫画家の苦悩も見たい
バクマンを見る人は漫画好きだと思うんで、漫画家が順位を上げるための苦悩とか具体的に見たかったんですが、映画では単純に順位バトルとしか描かれないのが不満です。
スポコンだったら、最下位から上位に上がるまでの苦悩を「毎日毎日練習しました」という一文だけで終わらせる感じ?その細かい過程が知りたいんじゃないか。
頑張ればできる、みたいな
バクマンの映画を見ていると漫画はとにかく根性で描けば何とかなる…みたいな努力だけでものを言わせる感を感じました。体を壊しても無理して書き続ければ…!みたいな。
いや、そういうんじゃないだろう漫画って。
根性論を地で行くジャンプっぽいかもしれないけど、映画としては見ごたえがないです。
負ける時は描かれない
極めつけは頑張れば、みんなで力を合わせれば勝つ!みたいな盛り上がり方をしたのに、負ける時はナレーションだけであっという間に収束します。
えー、そこは根性で踏みとどまるエピソードとかないのかよ!と思いましたが映画の2時間という枠組みの中では仕方ないのかもしれません。
風のような記録映画
ザーーっと漫画を描きまくって連載もやって、苦しくて悔しくて勝って負けた!みたいな突風のような映画でした。感情を丹念に描くというよりも「高校生奮闘漫画記録」です。
ラストに黒板に次の漫画のネタを描きだすシーンがあります。そのシーンではチョークを振るとCGであっという間に絵が描きあがる効果が使われていますが、映画自体もあんな感じです。
パッと描ける、みたいな。ブラックボックスの中から急に現れる感じ。
ラストの新宝島が良い
夢破れた二人は次のネタに向かうんですが、ここでエンドロールとサカナクションの新宝島が流れます。そして歴代ヒット作と思われる単行本が延々と(これが楽しい)映し出されます。
この流れと曲調が次への期待感を感じさせてすごく良い感じになっていました。
ふわっと良い感情が残る
突風のような映画でしたが、見終わった後はふわっとしたポジティブな感覚が残りました。少なくとも漫画っていいな、ジャンプまた読みたいな、若いっていいわ、と思います。
というのも、映画の中では体の辛さ、評価されない辛さが描かれていましたが、順位が上がらない苦悩、どうしてもうまくいかない苦悩みたいなものってあっさりした表現だったせいだと思います。(二人がイライラして喧嘩しただけ)
良くも悪くも青春映画だった
基本的に重苦しさはほぼ無いので、見ている方が感じる感情は最終的にポジティブなものが残ります。なので後味がすっきりさわやか~になります。
漫画で天才と競争する、という結構ハードなことをやっているんですが「青春の挑戦と挫折」という感じで終わっています。
漫画で生きていく!というよりも青春とは!って印象になっています。
足りないからこそ原作を読みたくなる
なんだかボロクソに書いている部分もありますが、要は2時間の枠に収まりきらないほどのエピソードがあって突風映画になっているわけです。調べたら20巻ある漫画を2時間映画にまとめたようなので、そりゃダイジェストっぽくなるわなぁと思いました。
ドラゴンボールで行ったら、序盤の亀仙人から天下一武道会、シェンロンを通過してベジータ第1戦目までやっているのと同じですよ。
原作だったらもっと心情も語られるだろうし、キャラもしっかり描かれているはず…!ということで漫画も読んでみようとおもいます。
電子書籍よりも中古セットの方が安いね
電子書籍20巻は8000円超えるねぇ、部屋も広く使えるし電子書籍も良い。
中古単行本セットだと1000円からあるじゃないですか。
まとめ
なんだかんだ言って面白い映画です。話だけみるとちょっと詰め込み過ぎた感はありますが、俳優の演技がいいので見ていて気持ちが良いです。若いっていいな、と思える。
話の粗さを演技力でオールカバーして、最後サカナクションの歌でまとめて歌いあげ、エンドロールの演出のうまさで後味がさっぱり仕上がっています。
見ているほうは何もしていないのに「何かやり遂げた感」を感じます。誰かに「バクマンって見てみようかと思うけどどうだった?」と聞かれたら「なかなか良かった」と答えると思います。
俳優をみるだけでも観て損は無い映画です。
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