乳酸菌が健康にかなりの貢献をしていることは色んな論文で発表されています。乳酸菌飲料やヨーグルトも良いですが、色んな種類の乳酸菌を補給するという意味でぬか漬けを推します!毎日の手入れが面倒な場合でも週1の手入れで大丈夫な漬け方で手間無しなぬか漬けを食べましょう。
乳酸菌の健康効果おさらい
乳酸菌は腸の中では善玉菌として活躍してくれます。乳酸菌を食べると腸の中に住んでいる善玉菌が増えて、腸内環境が良くなります。腸内環境が良くなると免疫力が上がったり、便秘が解消したりします。
さらに免疫力が改善することで花粉症が良くなったり、アトピーも良くなったり、インフルエンザ予防にもなることが分かっています。
歯周病、口が臭い…のも乳酸菌が効く
腸内環境が善玉菌と悪玉菌の攻防で成り立っているように、口の中も腸内と同じように善玉菌と悪玉菌が攻防を繰り返しています。口の中の悪玉菌と言えば歯周病菌、ジンジバリス菌がいます。これらの金は口臭や歯周病の原因になります。
乳酸菌を食べることで口の中の善玉菌を優勢にすると口の中が酸性になり、ジンジバリス菌や歯周病菌が活動しにくくなります。
牛乳と一緒にとって高血圧予防効果
乳酸菌は牛乳に含まれるカゼインからラクトトリペプチドという物質を作ります。このラクトトリペプチドは血圧を下げたり、血管を治したりする効果があります。
ただ、牛乳の中のカゼインを一緒に取らないとラクトトリペプチドは作られないので、高血圧予防をしたい人は牛乳と乳酸菌をセットでとる必要があります。
大腸がん予防
肉を食べ過ぎるとか、肉中心の動物性たんぱく質ばかりにかたよった食生活をしていると腸内環境が悪玉菌優勢になります。ウォルシュ菌という悪玉菌は動物性たんぱく質からニトロソアミンというガンを引き起こす物質を作り出してしまいます。
このウォルシュ菌を増やさないようにするには善玉菌を増やさなければいけません。善玉菌を増やすためには食べ物から乳酸菌をとる必要があります。
乳酸菌がコレステロールを低下させる
乳酸菌をとると腸の中のビフィズス菌などの善玉菌を増やしてくれます。ビフィズス菌は体内のコレステロールの半分を吸収されにくいコプロスタノールというものに変えてしまうので、コレステロール値を結果的に下げる働きをしてくれます。
ヨーグルトや乳酸菌飲料じゃ取れない植物性乳酸菌
ヨーグルトや乳酸菌飲料に入っているのは動物性乳酸菌で、ぬか漬けに入っているのが植物性乳酸菌です。同じ乳酸菌ですが、ちょっと性格が違っていて動物性乳酸菌が酸や塩分などに弱いのに対して植物性乳酸菌は酸と塩分に耐性があります。
塩漬けや酢漬けに乳酸菌が含まれていますが、酸や塩分に負けずにしっかり生きています。これはどういうことかというと、人間の体の中の過酷な環境(胃の酸など)に負けずに腸まで生きて到達できる強さがあるということです。
生きて腸まで届くと効果が高いのか?
結論から言うと乳酸菌が生きて腸まで到達する必要はそれほど重要ではありません。生きている乳酸菌はもちろん有用な働きをしてくれますが、死んでしまった乳酸菌も他の乳酸菌の言わばエサとなって乳酸菌の数を増やす手助けをしてくれます。
なので、生きていても死んでしまっていても、どちらも腸内環境に良い影響を与えてくれます。ヨーグルトや乳酸菌飲料に含まれている乳酸菌のほとんどが(中には胃酸に耐性のある乳酸菌株もいます)腸に到達するまでには死んでしまいます。
ぬか漬けに含まれている植物性乳酸菌は酸性に耐えられるので腸内まで生きて到達できます。乳酸菌の生き死に、は腸内環境への良い影響を与えるのに間違いないので、動物性乳酸菌でも植物性乳酸菌でもどちらでも良い、ということになります。
植物性乳酸菌をとる目的
一口に乳酸菌、といっても色んな種類があります。その種類のことを株、と言います。ヤクルトで有名な乳酸菌はカゼイシロタ株です。乳酸菌は株によって腸での働きや効果が違います。色んな種類の乳酸菌をとることで色んな効果を得ることができます。また、個人個人で腸内環境は違うので、乳酸菌に対して合う合わないといった相性が出てきます。
動物性乳酸菌をとっても体調が良くならない場合、植物性乳酸菌をとると良くなったり、ということがあります。どの乳酸菌が体に合うのか、色々試してみると自分に合うものが見つかるでしょう。
ぬか漬けにはどんな乳酸菌が入っているのか?
ぬか漬けなどの漬物に含まれている乳酸菌にはどんな種類があるのか調べてみました。
ペディオコッカス属
ペディオコッカス属は漬物に多く含まれている有名な株です。味噌や醤油にも含まれています。味をまろやかにしてくれる効果があります。
健康効果として期待できるのが免疫力を上げたり、メタボを予防してくれたり、お腹の調子を良くしてくれます。
ラクトバチルス属
プラズマ乳酸菌とか呼ばれて脚光を浴びているラクトバチルス属ですが、確かにその効果は目を見張るものがあります。免疫細胞を活性化させてくれます。ラクトバチルス属はヨーグルトを作る時によく使われていますが、漬物にも含まれています。
ラクトバチルス・プランタラム菌はO-157が腸内にくっつくのを防いでくれる効果があると言われています。
エンテロコッカス属
この乳酸菌がすごいのは体の「悪い奴をやっつける力を高める」効果があるところです。マクロファージ、T細胞、ナチュラルキラー細胞など、外敵をやっつける細胞を活性化させてくれます。守りよりも攻めに特化した乳酸菌です。
リューコノストック属
リューコノストック属は漬物の酸っぱさを作り出す乳酸菌です。古漬けが酸っぱくなったのはこの種類の菌が増えたためなんですね。この菌が出す酸っぱさ=酸性は腸内環境も酸性にしてくれる効果があります。悪玉菌は酸性の環境に弱いのでリューコノストック属が増えた腸内で悪玉菌は増えられません。そのためお腹の具合が良くなる、整腸作用が期待できます。
市販より自家製の漬物を
冬になると自分で野菜を買って漬けるよりも市販品を買った方が安上がりな場合があり、いっそ市販品の漬物でもいいのでは?と思うことがあります。でも、市販品と自家製の漬物では乳酸菌量に違いがあることを知れば、自分で作る方がお得だと分かります。
市販品の漬物は食中毒予防などに留意して色々な保存料が入っています。食品がどんな環境で、どんな過程で運ばれるのか?を考えると添加物を入れることも一概に悪いとは言えませんが、添加物として入っているソルビン酸が漬物効果を減らしてしまうことが分かっています。
ソルビン酸は加工肉などに含まれている亜硝酸と一緒になると発がん性物質になると言われています。
漬物つくりの道具
漬物は慣れてくると好みで漬けたりできるようになりますが、慣れないうちはレシピ本を見ると良いです。クックパッドでも良いですが、塩分量など独自のものだとカビたりする原因にもなるので料理研究家などのレシピが安心です。
漬物は温度が高い季節はちょっと難しいかもしれません。発酵が進み過ぎたり、塩分が少なすぎて傷んだりするからです。失敗しないようにするには冷蔵庫で管理するのが簡単です。
昔は樽で漬けたりしたようですが、今は冷蔵庫に入る漬物容器が便利です。キャベツ半玉が付けられるサイズのものが色々な漬物に使えて扱いやすいです。
1人用ならガラス製の漬物容器が良いです。
このガラスの蓋が結構な重しになって良いつかり具合にしてくれます。ガラス製ですが容器も丈夫で清潔に保てる(殺菌しやすい)し、食べきりサイズで漬けられます。
私は両方持っていますが、(角型じゃなくて丸型の頃に買ったけど)用途別に使い分けられるのでどっちを買っても損はないですよ。
市販の保存料無しの漬物
保存料を使っていない市販品の漬物もあります。自分で漬けた漬物が美味しくできない、面倒、という場合は利用してみるといいと思います。売るだけあって、さすがに味が美味しいです。
いろんな種類がちょっとずつ入った漬物セットが飽きないので良いですよ。
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